家でも作れる!脱水状態の改善におすすめな経口補水液について
熱中症や脱水といった具合の悪いときに有効な「経口補水液」は、いざというときのために家庭に常備しておきたいアイテムです。
しかし、必要なときに限って切らしているなんてことも少なくありません。
そんなときには自宅で作ってみましょう。
実は経口補水液は自宅によくある材料を混ぜるだけで簡単に作ることが可能なのです。
そこで今回は、経口補水液の作り方をご紹介します。
そもそも経口補水液とは
熱中症や具合の悪いときには、経口補水液が良いということは何となく知っているけれど、実際どんなものなのかはよくわかっていないという人も少なくありません。
特に熱中症では、水分だけでなくナトリウムなどの電解質も失われてしまいます。
そのため、水だけ飲んでいても症状の改善はさほど見込めません。
失った電解質を補給する必要があるため、脱水状態になったときには、水分と塩分が適切な割合で配合されている経口補水液を取ることが重要なのです。
ちなみに、熱中症にはスポーツドリンクも良いと言われていますが、経口補水液に比べると糖分が多く塩分が少ないため、熱中症対策には経口補水液がおすすめです。
経口補水液の作り方
経口補水液を作るのに必要な材料は以下の通りとなり、作り方は非常に簡単で、水に砂糖と塩を入れ溶けるまで混ぜれば完成です。
・砂糖大さじ4
・塩小さじ1/2
具合の悪いときに、糖分と塩分をまとめて補うことのできる経口補水液は、作り方を覚えておけばいざというとき、安心です。
ただし、これだけでは実際飲むときに、非常に飲みにくいという難点があります。
体が欲しているときには美味しく感じるとはいうものの、飲みやすく改良されている市販のものに比べると味もやや劣ります。
これだけで飲みにくさがかなり改善され、スポーツドリンクの味に近づきますので、もし、家にレモン果汁がある場合にはぜひ試してみてください。
経口補水液を飲むときの注意点
熱中症や発熱、下痢・嘔吐などで脱水状態になりかけた時に、経口補水液は非常に有効です。
しかし、手作りの経口補水液にはいくつか注意が必要なので、ご注意ください。
飲みすぎないようにする
実は、いくらでも飲んでいいというものではないので注意が必要となり、市販の経口補水液の1日当たりの目安量を以下でご紹介します。
・幼児 300~600ml
・乳児 体重1キロにつき30~50ml
手作りの経口補水液でもこの目安量を参考にし、飲みすぎないよう気を付けることが大切です。
経口補水液の作り方は、あくまで手元に市販の経口補水液がない場合の対処法、として覚えておくとよいでしょう。
分量を正確に計ることが大切
経口補水液をすばやく体内に吸収させるためには、ナトリウムイオンとブドウ糖のバランスが適切であることが非常に重要です。
そのため、分量は正確に計って作るようにしてください。
手作り経口補水液はその日に飲み切る
家庭で作った経口補水液は、どうしても雑菌の混入を防ぐのが難しいです。
もし、雑菌が繁殖してしまうと、健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、作った当日中に飲み切る、残りは廃棄するようにしてください。
日常的な飲用はおすすめできない
糖分や塩分が多く含まれているため、日常的な飲用はおすすめできません。
また、小さなお子さんや高血圧、糖尿病や腎疾患などの治療や食事療法をしている方は、必ず医師の指導に従ってください。
脱水症状には種類がある
人間の体の半分以上は水分で出来ていますが、実は体に占める水分量は年齢によって異なります。
そしてこの体に含まれる水分を「体液」と言い、これが減少した状態を脱水と言います。
通常であれば、体の水分バランスは一定に保たれているため、水分をたくさんとっても多ければ尿として排出されたり、足りなければ喉が渇いたりと調整されます。
しかし、喉の渇きを感じているのに水分を取らなかったり、発熱や下痢や嘔吐をしたりしてしまうと、このバランスが崩れ、脱水状態になりやすくなります。
そして、一口に脱水といっても症状によって種類があるのです。
高張性脱水
体から水分が多く失われる状態の脱水を「高張性脱水」といい、熱中症はこれに当てはまります。
これは、口や喉などが渇くタイプの脱水で、汗をかいたり、水分を取る量が少なかったりするとなります。
喉が渇いていると感じる頃には、既に水分が足りず急いで補給しても間に合わないこともあります。
そうならないためにも、喉の渇きを感じる前からこまめに水分補給を心掛ける必要があります。
低張性脱水
下痢や嘔吐などによる脱水状態は「低張性脱水」と言います。
体の水分だけでなく、電解質も失われてしまうため、経口補水液で補うことが大切です。
低張性脱水は、口の渇きではなく頭痛や低血圧、意識障害などの症状がみられることがあるため、このような症状が現れた場合には注意が必要です。
経口補水液とスポーツドリンクの違い
経口補水液とスポーツドリンクは同じようなものだと思われている人も少なくありません。
しかし、この2つには成分と飲む目的に大きな違いがあるのでご紹介します。
経口補水液
水に塩分と糖分を一定の割合で混ぜ合わせた飲料で、体液とほとんど同じ浸透圧になります。
下痢や嘔吐、発熱などによる脱水状態の改善に効果的ですが、スポーツドリンクに比べて塩分が多く糖分は少ないため、飲みにくいと言われることが多いです。
スポーツドリンク
ナトリウムやカリウムなど電解質を含んでおり、体液に近い浸透圧のため、体への吸収が早く、疲労回復を助ける働きをします。
汗をたくさんかいた際などに、胃腸への負担を減らしつつ、素早く水分を吸収できるよう作られているため、経口補水液に比べて塩分が少なく、糖分は多い傾向にあります。
市販されているスポーツドリンクの多くは、糖濃度が高く、水分補給の効果は落ちるため、熱中症対策には経口補水液がおすすめです。
ここまで経口補水液の作り方をはじめ、注意点はスポーツドリンクとの違いについて、詳しくご紹介しました。
熱中症対策をはじめ、脱水状態に陥ってしまった際に、素早く塩分と糖分を補うことのできる経口補水液は非常に重要なアイテムです。
いざというときのために常備していることが望ましいですが、もしなかった場合には、家にあるもので簡単に作ることが可能です。
そのときには、ぜひ今回紹介したレシピで作ってみてください。
味に飲みにくさを感じたときは、レモン果汁を加えるのもおすすめです。