食物繊維に似た働きを持つ!「レジスタントスターチ」について

食物繊維と同じような働きを持つと注目されている栄養素が、レジスタントスターチです。

レジスタントスターチとはどのような栄養で、具体的な効果や摂取できる食べ物とは何か詳しく知らない方は多いでしょう。

今回は腸活に適したレジスタントスターチについて詳しくご紹介するので、お腹の調子が整わないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

レジスタントスターチとは

疑問

レジスタントスターチとは主に穀類やイモ類に含まれるデンプンの一種で、難消化性デンプンとも呼ばれています。

まずはレジスタントスターチの特徴から解説していきます。

消化が遅いデンプン

消化

レジスタントスターチの特徴は、消化までが非常に遅いところです。

デンプンは植物に含まれる炭水化物で、本来は消化酵素で分解、小腸されて吸収エネルギー源となります。

研究が進みデンプンの中には大腸まで届くものも存在し、その消化までが遅いデンプンのことをレジスタントスターチと呼ぶようになりました。

食物繊維と似た性質を持つ

食物繊維

レジスタントスターチは食物繊維と似たような性質を持つ点も大きな特徴です。

食物繊維には消化されにくい不溶性食物繊維と、水に溶けやすい水溶性食物繊維がありますが、レジスタントスターチには両方の性質を持ちます。

不溶性食物繊維:便のかさ増し
水溶性食物繊維:善玉菌のエサとなる

レジスタントスターチの場合は消化されずに大腸まで届くので便をかさを増やすことができます。

さらに、大腸で腸内細菌に分解されると善玉菌のエサとなるブドウ糖へと変化するので、それをエサに善玉菌が育ち増えれば悪玉菌が減り、腸内環境が整います。

大腸まで届く

また、大腸にいる酪酸菌に分解され発酵すると、短鎖脂肪酸と呼ばれる酸を生み出し、下記の働きをします。

①腸のぜん動運動の活性化
②腸内を酸性に傾けることで有害な菌の増殖を抑制
③腸のエネルギー源となり、腸内を整える

腸内環境が整えば腸の働きが良くなり、老廃物を溜め込みにくくなるので便秘解消や太りにくくなるなどメリットが沢山あります。

また、免疫力もアップするので、風邪などの病気やアレルギー反応を起こしにくくなる体へと改善していくこともできます。

レジスタントスターチに期待できる効果

期待 効果

レジスタントスターチには腸内環境を整える働きがありますが、それ以外にも体に嬉しい様々な効果があると期待されています。

では、具体的にどのような効果に期待できるのかご紹介しましょう。

肌の調子が整う

肌の調子

腸内環境が良くなるので、同時に肌の調子も良くなる可能性があります。

便秘により便や老廃物が腸内に溜まったままだと悪玉菌が優勢となり有害物質が生み出され、それを体が吸収すると肌から排出しようとします。

その際、老廃物が肌の角質や皮脂と結びついてしまい、肌荒れやニキビなどを起こしやすくなるので、レジスタントスターチで善玉菌が増えれば、肌荒れも徐々に落ち着いていくでしょう。

血糖値の上昇を抑える

血糖値

レジスタントスターチには、食後の血糖値の急上昇を抑える働きにも期待できます。

食物繊維は消化が遅いので血糖値の上昇を緩やかにする働きがありますが、それと同じくレジスタントスターチも消化吸収に時間がかかるので、血糖値の急上昇が起きにくいです。

血糖値の急上昇は長く続くと動脈硬化などを引き起こすので、できるだけ緩やかな上昇が続く食生活が好ましいと言えます。

悪玉コレステロールの低下

悪玉コレストロール

レジスタントスターチを摂取すると、血中のLDLコレステロールも下げる効果も研究で明らかになっています。

LDLコレステロールは悪玉コレステロールのことを示し、増えすぎると動脈硬化を起こすリスクが高まり、心筋梗塞や脳梗塞など血管系の病気を引き起こしやすくなるので要注意です。

レジスタントスターチにより血中のLDLコレステロールが下がる理由の1つに、大腸で酪酸など有機酸が生成され肝臓に運ばれた際、コレステロールや中性脂肪の合成を抑制する、という機序があります。

食べ過ぎの防止になる

食べ過ぎ

レジスタントスターチを含んでいる食べ物は消化がゆっくりであるため腹持ちが良く、満腹感から食べ過ぎの抑制となります。

さらに、穀類やイモ類はしっかり噛まないと食べにくいものも多いので、咀嚼により満腹中核が刺激されやすい点も食べ過ぎ防止につながる理由の1つです。

レジスタントスターチを含む食べ物と効果的な食べ方

レジスタントスターチ 食べ物

腸内環境を整え、様々な効果に期待できるレジスタントスターチですが、どのような食べ物に含まれているのでしょうか?

レジスタントスターチは温度によって増減する性質を持つので、食品ごとに効率よく摂取する調理法や食べ方があります。

レジスタントスターチを含む食材は穀類とイモ類ですが、具体的には下記の食品に多く含まれています。

【レジスタントスターチが含まれる食べ物】
・ジャガイモ
・トウモロコシ
・インゲン豆
・白米
・大麦
・オーツ麦
・全粒小麦
・熟れたばかりのバナナ
・コーントルティーヤ(トウモロコシ粉が原料の平パン)など

普段から口にする機会が多い食材にも含まれています。

毎日継続して食べることが重要

継続 食べる

レジスタントスターチ効果を得るためには、長期的に摂取し続けることがポイントで、1日2回はレジスタントスターチを含む食材を食べた方が良いと言います。

特に白米は日本食の主食となるので、効率よくレジスタントスターチを摂取できる食材と言えるでしょう。

朝はパンやシリアル派という人でも、全粒粉のパンやオーツ麦や大麦が豊富なオートミールやグラノーラにするだけで継続的な摂取が可能です。

レジスタントスターチを効果的に摂取する食べ方

効果的 ポイント

毎日レジスタントスターチを摂取すること以外に、効率よく摂取するため食べ方も意識した方が良いでしょう。

食品別におすすめの食べ方をご紹介します。

ジャガイモ

ジャガイモ

加熱したジャガイモはデンプン粒が開いてしまい、小腸で消化されやすくなります。

消化されたデンプンは糖として血中に含まれるので、レジスタントスターチの恩恵を受けられなくなってしまいます。

そのため、ジャガイモを食べる時は一度冷ましてからが良く、おすすめの調理法は、冷めても美味しいポテトサラダです。

白米

白米

白米もジャガイモと同じ理由で、冷ますとレジスタントスターチが多くなります。

しかし、白米は冷たいままではあまり美味しくないので、冷たいものを再加熱させる

ことでレジスタントスターチを効率よく摂取できます。

電子レンジで再加熱した白米も良いですが、余って冷蔵・冷凍保存していた白米をチャーハンにして食べる方法も美味しく食べられるのでおすすめです。

インゲン豆など豆類

いんげん 豆類

豆類は熱を加えることで

レジスタントスターチが増えます。

冷たい豆料理にもレジスタントスターチは含まれていますが、チリコンカルネやビーンズスープなど温かい料理の方が効率よく摂取できます。

熟れたばかりのバナナ

バナナ

バナナは熟すとデンプンが糖に変わってしまうので、レジスタントスターチを意識するのであればまだ青みがかった熟れ始めのもの

がベストです。

ただし、まだ甘みがないので美味しいとは言いにくいでしょう。

バナナをスライスし、シリアルやヨーグルトなどに混ぜると食べやすくなります。

麦類

麦類

【大麦】
大麦は全粒穀物の中でも特にレジスタントスターチを豊富に含みます。

調理後、冷ましても他の穀類より乾燥してもパサつきがないので食べやすく、サラダなどにふりかけて食べても美味しいのでおすすめです。

【オーツ麦】
オーツ麦は調理したての温かい状態でもレジスタントスターチが豊富に含まれています。

温めて食べるのであれば、煮て食べるオートミールがおすすめです。
白米の代わりにお粥やお茶漬け、チャーハンなど色々なアレンジ料理に使えるので、飽きずに毎日食べられるでしょう。

デンプンの一種であるレジスタントスターチは食物繊維と似た性質を持つので、腸活をしたい人におすすめの栄養素です。

ジャガイモや白米など普段から食べている食材にも含まれていますが、効果的な食べ方を知っておけば無駄なく摂取できます。

健康効果は毎日続けることで発揮されるので、腸内環境を整えるためにも意識的に食事へ取り入れてみてください。

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